初回投稿日2020年12月25日
最終更新日2023年07月23日
カセットボンベ(CB缶)は寒さに弱いといわれてます
寒くなってまた新型コロナが流行しています
旅行に行きたいところは感染者が多くて怖くて出かけられないでいます
帰ってきて家に入れてもらえなくなっても困りますからね(笑)
低温ではカセットコンロは使えない?
暇なので市の雪かきボランティアに登録しました
こちらは幸い今のところ雪が少なくて出動は1回です
旅の車は今はこんな感じになってます
そういえば
車に積んであるこの岩谷産業のカセットガスストーブは氷点下でも燃えてますが
寒いキャンプ場ではカセットコンロがガスが残っていても燃えませんでした
災害用にカセットボンベをストックしてるのに役に立たないの?
時間があるので調べてみることにします
ガスカートリッジにはCB缶とOD缶があります
キャンプ場や山でよく見るのがOD缶(アウトドア缶)と小さいジュニア缶(CB缶)
普通のカセットボンベ(CB缶)は近くのアウトドアショップでは置いてません
ー20℃の極寒になるとこのタイプのOD缶しか対応できません
カセットガスボンベ(CB缶)に使用されるガスは3種類
カセットボンベのガスは3種類でした、単独であったり混合であったりします
OD缶も使われているガスは同じです
ノルマルブタン⇨イソブタン入り⇨プロパン入りの順に価格が高いようです
ガスの特性を表にまとめてみました
発熱量には総発熱量と真発熱量があり使うときの感覚に近い真発熱量で記載してます
使用ガスによる種類
ほぼノルマルブタン
一般的な安いカセットボンベ(CB缶)はこれです
アウトドア用品メーカーのボンベもこれだったりするので注意が必要です
缶には「液化ブタン」と表示されてます
実験ではボンベの温度が5℃まではある程度燃え、0℃でほぼ燃えなくなりました
ノルマルブタンとイソブタン混合(ノルマルブタンが多い)
イワタニなどの少し値段の高いカスボンベ(CB缶)です
缶にはほぼノルマルブタンと同様に「液化ブタン」と表示されます
実験ではボンベの温度が0℃まではしっかり燃えました
ノルマルブタンとイソブタンの混合(イソブタンの方が多い)
イワタニのパワーゴールドやジュニア缶、TOHOのゴールド缶などです
実験ではボンベの温度が−3℃でもしっかり燃えてました
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ほぼイソブタン
ユニフレームなどのアウトドア用の値段の高いもの
低い温度でも燃焼します
缶には「イソブタン・・%」と表示されてます
予算の関係で実験してません
プロパンとブタン混合
SOTOなどのアウトドア用のパワーガスなどです
主にキャンプや低山登山用に売られてます
缶には「液化ブタン、液化プロパン」の表示
配合により使用温度が変化します
実験ではボンベの温度が−7℃でもしっかり燃焼してました
混合の場合にはボンベの温度でガスの混合の比率が変わる様です
メーカーはガスの配合や使用温度を公表しない傾向があります
カセットボンベがどの位低い温度で使えるか興味のあるところですが公表しているメーカーはほとんどありません
ブタンの種類も非公表だったりする中で岩谷産業さんはホームページで目安温度やガスの比率を公表してます
下記は岩谷産業(イワタニ)さんのホームページ(リンク)からの引用ですこれを目安にしている方が多いようです
先に理論値を計算して実験をしてみました
図1のガスの物理的特性からノルマルブタンの例で計算してみます
普通のカセットコンロでガスボンベはどの位の時間使えるか
普通のカセットコンロ(出力3KW(2,579Kcal))で計算
(ボンベのガスの量)×(ガスの熱量)÷(コンロのガス消費量)=時間
(0.25kg ) × (10,930Kcal /kg) ÷(2,579Kcal )=1.06時間
メーカーさんが1時間くらいと言ってますのでほぼ合ってますね
強火(3KW)でカセットボンベの温度を下げる力は1分でどのくらいか
(蒸気潜熱)×(1分のガス消費量)÷(ボンベのガスの量kg×比熱)=温度
ガスボンベ満タン(250g )のとき
(102kg/Kcal)×(0.0039)÷(0.25kg×0.304)=5.2℃
ガスボンベ半分位(120g )または小さいジュニア缶のとき
(102kg/Kcal)×(0.0039)÷(0.120kg×0.304)=10.9℃
ガスボンベを温める力(空気、ヒートパネル、輻射熱)は僕の力では計算できないので実験に移ります
実験でわかったこと
実験をすると燃焼に変化のない5℃くらいまでは一定の温度で下がりました
新しいガスボンベで約1℃、半分くらいのボンベで約2℃でした
理論値はそれぞれ5.2°Cと10.9°Cなので「伝導熱」や「輻射熱」でかなり温められていた
・燃焼(ガス圧)は外気温でなくカセットガスボンベの温度で変化した
・カセットガスボンベの冷却(ドロップダウン)は
燃焼によるガスの蒸発熱で下がり、下がる温度はほぼ一定していた
ガスの消費量に比例し、ガスのボンベの残量に反比例していた
・ガス器具により冷却(ドロップダウン)に差がある
カセットボンベの周囲の温度や輻射熱やヒートプレートの伝導熱の差と思います
・気温は室温15℃と氷点下1℃で実験しましたが大きな差はありませんでした
ガスの沸点(−0.5℃ 〜 -42.1℃)からすると小さい温度差だからと思います
・ガスボンベに結露しだすと温度の低下が緩やかになりました
水の結露(凝縮)による熱が大きいからと思います
実験結果から普通のコンロでのカセットボンベの使用時間を試算してみると
秋のキャンプ場でカセットコンロが燃えなかったのは外気温10℃、残量の少ないボンベ、ノルマルブタン、普通のカセットコンロだったのであっという間にカセットボンベの温度が0℃になったからとわかりました
参考 実験1 時間経過によるガスボンベの温度変化を計測
3KWクラスの燃焼器具で強燃焼させて1分ごとに温度を計測しました
燃焼器具やメーカーやガス缶の残量を変えて測定しました
測定は非接触型の温度計でカセットボンベ液のある部分を測ります
参考 実験2 氷点下3度で燃焼比較
低い温度ではガス器具の火花では着火しないのでチャッカマンで着火しました
燃焼後カセットコンロのSOTOのガスボンベは結露が少なく−7℃まで下がってました
イワタニのジュニア缶とSOTOのOD缶は結露が多く−3℃からあまり下がってませんでした
ガスストーブのカセットガスは6℃からスタートでほとんど変化なし
気温の低いときにカセットボンベ使うには
ガスボンベを選ぶ
参考程度ですがカセットボンベの種類の欄にボンベの実験での燃焼温度を記載しました
カセットボンベにカバーなどを付けない
ドロップダウン対策にボンベ用カバーが売られてたりしますが実験結果からすると逆効果と思います
冷蔵庫と同じく中から冷えるのですから断熱を良くすれば伝導熱、輻射熱が無くなりガス缶がもっと冷えます
ガス器具を選ぶ
ブタンやプロパンの発熱量と蒸気潜熱の関係から推定すると
燃焼で出た熱の0.79%〜0.93%がボンベに伝わればドロップダウンしない
燃焼で出た熱がカセットボンベに伝わりやすい器具を選ぶと良いと思われます
イワタニのアウトドア用のカセットコンロやガスストーブがおすすめです
爆発や火災の危険があります、安全の為「自作の部品」や「純正以外の部品」などは使わず検査に合格した製品の中で選ぶ事をおすすめします
ガスストーブ
今回実験でカセットガスボンベの温度が下がらなかったガスストーブの装着部は
カセットコンロとは全く違ってボンベに輻射熱と暖かい空気が伝わる構造です
氷点下でもガスボンベの温度が下がらずに燃焼したのはこのおかげの様です
同じイワタニでもファンヒーター型では燃焼量が2倍位大きくなってます
カセットボンベを冷やす力も2倍になりますが構造は似た感じです、ネットでは
低温時に最高出力で使うとドロップダウンで火力が弱まるという口コミがありました
選ぶときは構造と出力に注意しましょう
カセットコンロ
今回実験に使ったのは普通の家庭用のカセットコンロでした、同じイワタニでもアウトドア用のコンロは構造が違ってました
ヒートプレートが大きく、バーナー部分の効率も良さそうです
気温の低いときは使い方を工夫する
・使いはじめの温度を高くするのに暖かい場所に置く
※40℃まで
・カセットボンベの残量の多いものを使う
・できるだけ強火で使わない、温度が早く下がりヒートプレートの効果が出ない
・カセットボンベを複数交互に使う
防災用のストックを考えるならイワタニがおすすめ
イワタニさんとは何の関係もありませんがテストをしていてボンベやコンロの性能が防災用品としてピッタリと思います
災害で冬に電気が止まったら我が家では暖房のエアコンもコンロも使えません
室温も10℃以下になる事が予想されます、低温に強いボンベが必要です
そしてカセットボンベの保管期限は条件が良くて6年から7年です
少しずつ使ってローテーションしなければ捨てることになります
OD缶やキャンプ用品メーカーのものはアウトドアで普段使う人には最強です
でも普通の家庭ではローテーションができないのです
では普通の家庭ではどうするか
やっぱり普通に売っているイワタニのカセットボンベと思います
実験ではイソブタンが配合されているので低温に強いです
たくさん買っても普段の鍋物や焼き肉で使ってローテーションできます
北国の方や心配な方は一部をパワーゴールドタイプにする
注意点はイワタニさんの指定でイワタニのアウトドア用のカセットコンロが必要なこと
イワタニのジュニア缶はイソブタンが多く入ってますが容量が小さくドロップダウンが大きくなるのでおすすめしません、標準缶と比べてドロップダウンしやすいのでイソブタンの配合を多くして標準缶と同じように使えるよう対策をしているのではないかと思います
最後まで見ていただきありがとうございま
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