ジェットボイルやアルポットなど燃焼の効率を調べてみた

初回投稿日2021年03月01日
最終更新日2021年09月13日

アウトドア用品でジェットボイルがブームですね

アウトドアで燃焼の効率が良い商品をピックアップしてみました

ジェットボイル(燃料はOD缶)

人気があり、たくさんの方がYouTubeやネットにあげてます、僕の好きなチャンネル「かほの登山日記」でも紹介されてます
これは実験しなくてもすみます

ジェットボイル

右2つがジェットボイルという会社のジェットボイルという商品、他のメーカーでも似た商品があります

早くお湯が湧いてガスも節約できるようです
このフラックスリングがポイントです、商標登録されているので他のメーカーはヒートエクスチェンジャーなどの言葉を使ってます

ジェットボイルのフラックスリング

ジェットボイルのフラックスリング

アルポット(燃料用アルコール)

30年のロングセラー商品で登山や釣り、車中泊で活躍してます
風に強く湯沸かしや炊飯など調理もできます

熱効率が高い構造で火力のわりに早くお湯が沸きます

大木産業アルポット

アルポットの本体と付属品

ヒートエクスチェンジャー付き(燃料はカセットボンベなど)

手持ちのSOTOのストーブやアルコールストーブ、固形燃料で使えそうな物を探していてAmazonで見つけました

バーナーに工夫は必要ですがジェットボイルに負けない性能でした

ファイヤーメープル社のケトルとDUG社のナベ

ファイヤーメープル社のケトルとDUG社のナベ

底の裏側

底ほ変わった形です

衝動買いをして届いたら

屋内やテント内使用禁止、一酸化炭素注意が箱や本体に貼ってます

メスティンに続きまたやっちまった〜

底のギザギザに炎があたると不完全燃焼で一酸化炭素が出るようです
それで室内、テント内禁止なんですね
ジェットボイルの他社のバーナーが使えるタイプも同じでフラックスリングに炎があたると不完全燃焼するようです

底はジェットボイルと同じような構造になってます

底はジェットボイルと同じような構造になってます

バーナーが近すぎて炎がギザギザにあたる

バーナーが近すぎて炎がギザギザにあたり一酸化炭素が出る、弱火だと大丈夫だけど微妙

これでは実験できないのでバーナーを改良します

注意
改造は全て自己責任です、慎重にしましょう

ケトルとナベで直径が違うので材料は2種類です、ケトルは直径が広い分高さを低くします
・ケトル用にステンレスの裏ごし
・ナベ用にステンレスのケーキ丸型(底の外せるもの)

材料はダイソーで220円

材料はダイソーで220円

裏ごしは網を外します

裏ごしは網を外します、マイナスドライバーでフチを外したらプラーイヤーで一気に取れます

ゴトクがあたるところをプライヤーで曲げる

ゴトクがあたるところをプライヤーで曲げて安定を良くします、左右にひねるのがコツ

完成です、ナベはシンデレラフィットです

完成です、ナベはシンデレラフィットです

これで一酸化炭素の心配なく部屋でテストできます
車中泊でも一酸化炭素警報機があれば使えるかもしれません

ついでにコーヒーを淹れるのに使っているHARIOのケトルもテストします
普通の容器のデータも欲しいですからね

SOTOのストーブとHARIOのケトル

SOTOのストーブとHARIOのケトルは相性がよくて省エネなんです

お湯を沸かすテストをして燃費(円)を計算してみる

実験の条件

ジェットボイルは雑誌等で紹介されてますので実験はしてません
ジェットボイルの初期モデルはメーカーで・・分で沸騰と表示されてますが外気温32度で水温は不明なんです

水温が公表されているフラッシュというモデルで燃料消費等のデータはメーカーの公表数値を使用しました
周囲温度20°C水温20°C水500mlに合わせて他をテストします

ジェットボイルフラッシュのボンベは
Amazonで230gで税込660円(燃焼時間99分)
燃料単価は6.6円/分になります

アルポットの燃料用アルコールは
マツキヨで500mlで税込393円(燃焼時間278分)
燃料単価は1.4円/分になります

SOTOのバーナーの岩谷のボンベは一本あたり
マツキヨで250グラムで税込237円(燃焼時間63分)
燃料単価は3.8円/分になります

沸騰の判断は底からグツグツと気泡が出てきた時点とします
温度計の100°Cとは少し誤差が出てしまいますが
ジェットボイル社が「お湯が沸く」でなく「沸騰」としているからです

沸騰の判断

沸騰の判断

実験結果と燃費

スマホで表が全部表示されないときは ⇦スクロール

品名 火力(kcal /h) 沸騰時間 熱効率 燃費(金額)
ジェットボイル 2,269 1分40秒   63.5%  10.0円
アルポット   431 9分05秒   62.4%  10.6円
FM社のケトル 2,599 1分18秒   71.0%   4.9円
DUG社のナベ 2,599 1分42秒   54.3%   6.5円
HARIOのケトル 2,599 2分33秒   36.2%   9.6円

※熱効率の計算=(水に加わった熱量)÷ (燃焼で出た熱量)×100
水500mlの水温を80°C上げるには40kcal必要
燃焼で出た熱は(1時間あたり熱量)×(燃焼時間h)

実験結果から

燃料の節約は普通の容器と比べると段違いです
沸騰するまでの時間はジェットボイルもエクスチェンジャー商品も早く、金額で見ると冬山登山以外ではジェットボイル以外の選択もありです

ケトルの中では熱効率の良いHARIOのケトルで36.2%です
普通の容器の効率の悪さが想像できます

参考:効率の良い器具は何が違うか?理屈を探ってみました

家庭用のガスコンロは省エネ基準対象です

家庭用のガスコンロは省エネ基準対象なので効率のデータが多くあります
燃焼器具の効率を家庭用のガスコンロのデータからアウトドア用の器具の効率を推測したいと思います

ガスコンロの上がコンロ、真ん中がグリルのタイプ

家庭用ガスコンロの上がコンロ、真ん中がグリルの普通のタイプ

家庭用ガスコンロには必ずこんなラベルが貼ってあります

ガスコンロのラベル

ガスコンロのラベル 区分C(コンロ)効率56.3% 区分J(グリル)効率167Wh

このコンロ部分の効率(伝わった熱量/ガスの熱量)は56.3%です
ガスコンロからIHヒーターに買い替える時の試算にこの数字が使われます

お湯を沸かすときの効率と思いがちですが違います
実は液体でなく黒いブロックを熱したときの効率です
ですから実感とかなり違うことになります

ガスコンロの実験データを探していたらちょっと古いですが
北見工業大学の論文で興味深い実験結果がありました
今とバーナーの性能が十数パーセント違うと思いますが30%が33%になる程度の差です

末尾の北見工業大学の論文を参照しながら記事をご覧ください

図5 容器径と熱効率の関係

図5を見ると底が大きいほど熱効率が良くなります
・HARIOのケトルは底面が140mmと普通より大きいので他のケトルより熱効率が良い

・グラフから実験で使ったDUG社と同じ120mmの普通のナベの熱効率は30%未満です

・実験でDUG社のナベは140mmのHARIOのケトルの150%の熱効率でしたので120mmで250mm位のナベと同じ熱効率になったと推察されます
ヒートエクスチェンジャーの効果はかなり大きい

とりあえず大きめのナベを使って、ヒートエクスチェンジャーがあるといいねという結論になります

120cmのナベは袋ラーメンがちょうど入る大きさです

120mmのナベは袋ラーメンがちょうど入る大きさです

図6 容器側面積と熱効率の関係

グラフでは容器の高さが増すと効率が良くなります
だからジェットボイルやアルポットは細長いんですね

熱効率の為には袋ラーメンを割って入れるくらいは我慢という結論になります

図 10 供給ガス量と熱効率の関係

強火で使うと熱効率が落ちるということです

資源エネルギー庁も省エネの為できるだけ強火で使わないように推奨してます

図 12 容器にカバーを付けた場合の熱効率

30年以上前に設計されたアルポットはまさにCタイプのカバーが付いてます

そしてジェットボイルの断熱材もユーザーへの思いやりより熱効率だったんですね

 

以下北見工業大学の論文よりの引用
下記リンクから全文を見ることが可能です
ガスコンロで水を加熱した場合の熱効率の研究*. 石谷博美**. 常本 秀 幸**. 佐藤 公一***. (昭和58 年4月28日受理).

図5 容器径と効率の関係

図5 容器径と熱効率の関係

容器側面積の変化に対する熱効率

図6 容器側面積の変化に対する熱効率

図10 供給ガス量と熱効率の関係

図10 供給ガス量と熱効率の関係

図12 容器にカバーを付けた場合の熱効率

図12 容器にカバーを付けた場合の熱効率

最後まで見ていただきありがとうございます
関連記事
氷点下3℃で燃焼実験 カセットボンベ(CB缶)を冬にテスト、イワタニが防災用におすすめなわけ こんな感じで安定して燃焼するようにしました メスティンで0.5合自動炊飯 アルポットの場所 車中泊快適化アイディア アルポットで蒸し料理 KOIZUMIのライスクッカーで車内炊飯 車中泊快適化アイディア 炊飯器選び