サブバッテリーシステム 配線の知識

初回投稿日2020年10月03日
最終更新日2023年07月09日

基礎知識編 配線に関すること

サブバッテリーシステム製作にあたって一番時間がか
かったのはバッテリーや配線などの基礎知識がなく
ネットなどで調べる事でした
一回で正解にたどり着くことができなくて大変苦労
しましたので調べた事を整理してみました

配線の重要性(車両火災を防止しよう)

家の屋内配線(ブレーカーからコンセントまで)は資格が必要です
筆記と実技試験をパスした第2種電気工事士以上でないとできません
接続方法や固定方法や配線選択のミスで火災や事故がおきるからです

同様に車の配線も接続方法や固定方法のミスで
車両火災がおきている事例が多くあります


総務省消防庁の令和元年版消防白書より

総務省消防庁の令和元年版消防白書より、出火原因の15%が配線と電気機器ですね

総務省消防庁 令和元年消防白書


自家用のサブバッテリー システム製作は法律で資格
が必要なわけではありませんが命や財産に関わります
正しい知識で製作することが必要と思ってます

直流(DC)と交流(AC)について

直流と交流の違いについて

直流(DC)と交流(AC)の違いは複雑です
調べても送電線や太陽光発電等わけがわかりません
サブバッテリー システムを製作するだけであれば
下記の6項目がわかれば良いのではないかと思います

・車の電源は12Vまたは24Vの直流(DC)です
・家庭用電源は100Vまたは単相200Vの交流(AC)です

・直流にはプラス(赤線)とマイナス(黒線)がある
・屋内配線には接地側(白線)と非接地側(黒線)

・交流電源には周波数があり東日本の50Hzと西日本の60Hz
・交流(AC)電源の電気製品は今はほとんどHzフリーです

電圧の違いには注意が必要

直流(DC)の機器には12Vと24V
交流(AC)の機器には100Vと200Vがあります

電圧の違いには最大限の注意が必要です
接続を間違えれば機器の破損をまねきます

家庭用電源ではコンセントの形を変えて間違わない様になってます
車載機器では24Vに12Vが差せてしまうので破損がおきます
(車載機器売り場で注意書きがしつこいくらいにあります)

サブバッテリー システムは通常では直流1 2Vと交流100Vで作ります
車内で使用する市販の製品がこの規格のものが多いからです
24V車では直流24Vと交流100Vで作る様です

接続コードの種類と使い方

交流(AC)に使っているコードは直流(DC)に使えるか

屋内配線(交流)に使っている配線を直流に使う事は迷います
屋内配線のスイッチや端子台などは接続が簡単で安く
できたらサブバッテリー システムで使いたいです


屋内配線に使われている600Vビニルシース平型ケーブル(VVF)
自動車用に売られているエーモン などの自動車用低圧電線(AV)
どちらも手に入りやすい材料ですのでこれで比較してみます

上 600Vビニルシース平型(VVF)、下 自動車用低圧電線(AV)

上 600Vビニルシース平型(VVF)、下 自動車用低圧電線(AV)

ビニルシース平型ケーブル(VVF)と自動車用低圧電線(AV)比較

ビニルシース平型ケーブル(VVF)と自動車用低圧電線(AV)比較

AVコードの数値は住友電装株式会社様のホームページを参考にさせていただきました


電流から考えると
同じ電線でも12Vと100Vでは8倍以上の電力差です
同じ許容電流20Aで・・・12Vでは240Wまで
・・・・・・・・・・・100Vでは2000Wまで

使用温度で考えると
許容温度はVVFケーブル60°CでAVケーブル80°C
温度により許容電流も大きく変化します
ただサブバッテリーシステム を使う場面は40°C以下と思います

使用電圧で考えると
VVFケーブルは600Vより低い12Vでは使用可
自動車用低電圧ケーブル(AV)は100Vは不可

 

直流12Vでも許容電流以下であれば使えそうです
VVFケーブルは1.6mmで18A×12V=216W
スイッチや端子台などは 23A×12V=276W

具体的な配線の使い方

言葉だけではわかりにくいので実際の配線例で

12V側も100V側もVVFケーブルで接続

12V側も100V側もVVFケーブルで接続、12V側は125Aに対し許容電流18Aで発熱・火災

12V側をVVF2.0mmを5本、100V側にVVF1.6mm1本

12V側をVVF2.0mmを6本、100V側にVVF1.6mm1本、6本並列で許容電流138Aになる

※通常はこんな配線は使いませが12Vと100Vの違いはこんなに大きいです

12V側に付属のAVケーブル、100V側にVVFケーブル

12V側にインバーターに付属のケーブル、100V側にVVFケーブル インバーターの説明書通り

12V側にインバーターに付属のケーブル、100V側にAVケーブル

12V側にAVケーブル、100V側にもAVケーブル  AVケーブルは100Vでの使用は禁止です

配線図を作る前にエリア分け

配線図を作成してから製作をすると思いますが
使用する配線や接続機器を間違えないためには
下記の図の様にエリアを分けて考えると良いと思います
12V小電流エリア・・200Wの設計で使用は100W程度
12V大電流エリア・・高出力インバーターとバッテリー間
100V交流エリア・・屋内配線の配線や配線器具で作る

サブバッテリーシステムのエリア分け

サブバッテリーシステムのエリア分け

ヒューズの使い方

ヒューズは配線に許容電流以上の電流が流れるのを防ぎます
エリア図で言えば「直流12V小電流エリア」には必ず付けます

「ガラス管ヒューズ」「平型ヒューズ」はどちらも可
(私は振動に強そうな平型です)

ヒューズは定格電圧より低ければアンペア数で見ます
(定格125V15Aは12Vで15Aで使えます)

プラス側の配線のバッテリー側に付けます

アンペア数は 配線>ヒューズ>使用機器 の順
配線はバッテリー → 太配線 → 細配線 の順

ヒューズ の位置と許容電流

ヒューズ の位置と許容電流

配線の接続

複数バッテリーの並列接続へのインバーターの接続は下記の図のように先頭のバッテリーのプラス(マイナス)と末端のバッテリーのマイナス(プラス)に接続すると配線の抵抗による電圧差が生まれないのでバッテリーに良いようです

この場合AB間のプラス配線にはバッテリーCの電流も流れアンペア(A)数が2倍になるので配線の太さに注意が必要です
同様にBC菅野マイナスの配線にも注意が必要です

回路図にすると下記のようになり同じ配線で接続した場合には配線抵抗が同じになり電圧降下が同じ値になります

例えばバッテリーBのプラスマイナスの端子に接続した場合にはバッテリーBの配線抵抗がゼロになりバッテrーBが電流が大きくなりやすく消耗しやすいようです

参考までに22SQのバッテリー並列ケーブルは許容電流が100A程度30cmで0.3mΩ前後です

1500Wのインバーターを接続した場合で各バッテリーで50Aを分担した場合には電圧降下は50A×0.0003Ω = 0.15V
電流が2倍になる配線では50A×2=100Aで許容電流ギリギリになります

配線を並列で2本にしたり38SQにしたりと工夫が必要ですね

車用の配線器具の接続は調べやすいです

エーモン工業(amon)ホームページの車DIY情報
などで詳しく調べられます

カー用品店で聞くこともできます

100Vの屋内配線器具の接続は調べにくい

交流の屋内用配線器具の接続は配線の加工が楽で
差込むだけ、ネジだけとか接続しやすく価格も安い

でもネットの写真や動画では危ない接続も多いです

VVFケ=ブルと差込コネクター・端子台・スイッチの接続

VVFケ=ブルと差込コネクター・端子台・スイッチの接続、白が接続で黒が配線の加工見本です

家電店やホームセンターは売場に電気工事の経験者がまずいないので聞けません

第2種電気工事士の実技試験関係の資料や動画が良い様です


一般財団法人 電気技術者試験センターのHP
「電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイント」には写真入りでやってはいけないことが記載されてます

電気技術者試験センターホームページ「技能試験でよくある欠陥事例」

電気技術者試験センターホームページ「技能試験でよくある欠陥事例」


YouTube動画では

電気工事士奪取プロジェクト
動画を見ると実際の作業が手際が良くて面白いです
私はこれで勉強して電気工事士の技能試験に合格しました

注意

以上は私の調べた事のまとめですので間違いの可能性もありますので今一度確認の上実際の製作をお願いします

最後まで見ていただきありがとうございます
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